平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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酒井七馬・手塚治虫『完全復刻版 新宝島 豪華限定版』(小学館クリエイティブ)

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完全復刻版 新寶島 豪華限定版

完全復刻版 新寶島 豪華限定版

原作・構成酒井七馬、作画手塚治虫として1947年に育英出版から書き下ろしで出版された単行本の復刻本。手塚治虫が初めて出した長編漫画単行本であり、手塚伝説はここから始まった。多くの漫画家がこのマンガで影響を受けたと語っており、特に藤子不二雄Aまんが道』によって神格化された作品である。ストーリーを削ったり、絵の一部を酒井が上から描き直したことなどから、手塚治虫は本書のことを気に入っておらず、講談社から出た漫画全集でも全てを書き直した作品として出版していたため、当時の版は長く幻となっていた。他に「新宝島読本」を収録。
豪華限定版は手塚が学生時代に描いた習作『オヤヂの宝島』(未完)、絵本『タカラジマ』に、未使用原稿の複製画が3枚入っている。
まあ未完とはいえ『オヤヂの宝島』に『タカラジマ』も入っているのだからということで、迷わず豪華限定版を購入。最近出ている様々な手塚復刻本は買う気にならないが、さすがに『新宝島』だけは特別である。
とはいえ、今読んで面白いかと言われたら当然ながら微妙。この本が当時の漫画好き少年の全てを熱狂させたという事実を思い浮かべながら読めばいいんじゃないかな。
どうでもいいが、結末は手塚の漫画全集版よりこちらの方がいいと思う。やっぱり夢オチでがっかりさせる結末はダメだよ。夢オチでよかった、という結末ならまだしも。
買うだけ買って今頃読むのはいつものこと。実は『バンビ』もまだ読んでいない(苦笑)。