平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

漂泊旦那の日記です。本の感想とサイト更新情報が中心です。偶に雑談など。

加藤元浩『Q.E.D.―証明終了―』第32巻(講談社 マガジンコミックス)

Q.E.D.証明終了(32) (講談社コミックス月刊マガジン)

Q.E.D.証明終了(32) (講談社コミックス月刊マガジン)

マジックショーで知り合ったマジシャン黒法子万十より、「君を驚かす」という挑戦を受けた燈馬想。誰もが見たことのないマジックのタネとは何か。「マジック&マジック」。
鳥杉銀行の会計士が殺害された。盗まれたものはいったい何か。そして鳥杉銀行は大赤字を出した責任を押しつける形で、雇われチーフプログラマーで燈馬の知人でもあるフロイヤに対して被害届を提出した。「レッドファイル」。
テレビドラマ化もされたせいか、いつもより発刊ペースが早い? 
「マジック&マジック」はマジシャン黒法子万十の挑戦を受ける燈馬との話。クールすぎるくらいクールな燈馬を騙そうとする万十のあれこれ。作者はどこでここまでマジックの世界を勉強したのだろう、というぐらい面白く描かれている。特に相手が燈馬という、大抵のマジックなら簡単にタネがわかってしまう人物が相手なのだから、騙しがいがあるというもの。シリーズでも十指に入る傑作と思う。ただ万十が最後につぶやいたものは、結構実例が多いと思うよ。
「レッドファイル」は事件の謎そのものよりも、金融工学に対するあれを大声で言いたかったんだろうなあと思わせる作品。それと、世界で一番売れているから一番美味しいという哲学は、ある意味心理かも。