平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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法医学者不足

日経メディカルオンラインで連載されている『日経メディカル ブログ:竹中郁夫の「時流を読む」』の10月24日分を読んだのだが、佐賀県司法解剖医不在の状態が10カ月続いており、佐賀県警司法解剖の必要なケースが発生すると、九州大、福岡大、久留米大、長崎大に司法解剖の実施を依頼しているとのこと(元々の記事は西日本新聞)。一般に大学の法医学教室は教授や助教など3人から5人で運営されているが、九州では福岡県5人、長崎県2人、大分、熊本、宮崎、鹿児島県が各1人ということらしい。
司法解剖件数を向上させようとか、病死と殺人を取り間違えないように司法解剖を積極的に行おうとか、冤罪を防ぐためにも綿密な司法解剖を行おうとか、医療事故隠蔽を防ぐために積極的な司法解剖を要請しようとか色々な運動があったかと思う(伝聞なので、正式なことは知らない)が、これではとてもとても追いつかないだろう。
そもそも、全国的に医師が足りなくて色々と問題が起きているのに、法医学の方まで手が回らないというのが正直なところではないか。
ところが、今年の1月に警察庁は、日本法医学会に解剖体制の整備を配慮してほしいという要請を出している。法医学会の実態を知っていて要請しているのかな。まあ、要請の内容そのものは必要なことなんだろうが。
医療は特殊技術だから比べること自体間違っているのだろうが、一方では働き口がない人が大勢いて、一方では人手不足に嘆いているという事実に、ものすごい矛盾を感じてしまうのは気のせいだろうか。