人形はなぜ殺される 新装版 高木彬光コレクション (光文社文庫)
- 作者: 高木彬光
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/04/12
- メディア: 文庫
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1955年11月、講談社の「書下し長篇探偵小説全集7」として刊行。
日本ミステリ史上に燦然と輝く大傑作。何回読んでも飽きることがない。
トリックも推理も素晴らしい。第2の事件のトリックも見事だが、むしろ第1の事件のトリックの方が衝撃的である。第2の事件のトリックは、後年島田荘司が作品中に取り入れているが、使い方が今一つだったので、大傑作が貶された気分になったものだ。
犯人の意外性も見事。途中のサスペンスも大満足。解決の鮮やかさは格別。神津がもたもたしている? そりゃ、これだけの犯人が相手だから仕方がないのだよ。
昔の作品を読むと、当時の感動はどこに!と言いたくなるぐらい古くさかったりすることがあるものだが、この作品は全く別。いつまでも語り継がれるべき、歴史的大傑作なのである。
「罪なき罪人」は1953年4月に「読物」誌に、「蛇の環」は1956年11月に「オール讀物」に掲載された短編である。神津と東洋新聞社の真鍋がコンビを組む、無難な仕上がりの作品である。