- 作者: 井上ほのか,瀬口恵子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1988/04
- メディア: 文庫
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1988年書き下ろし。井上ほのか、デビュー作。
歌野晶午や法月綸太郎がデビューした頃、島田荘司が巻末に推薦文を載せていた。“新本格”という言葉が生まれた頃である。その頃、島田荘司が彼らと一緒に名前を載せて期待していたのが、井上ほのかだった。そのせいで気になって、買っていたんだろうな。しかし、読んだ記憶は全くない。もう一つの「少年探偵エディ・セロル」シリーズの方は読んでいるのだが。実家の本棚を整理中に出てきたので、読んでみることにした。
14歳のアイドルが名探偵という、当時のジュニア小説にはありがちな設定(今でもか?)。連続殺人を犯すにしてはやや弱い動機(こういう動機があっても不思議ではないが)ではあるが、当時にしてはなかなかのトリックじゃないだろうか。
今ではすっかり消えた作家扱いになってしまった井上ほのかであるが、当時のジュニア小説にも、こういう本格ミステリがあったということは覚えておいてもいいだろう。