平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

漂泊旦那の日記です。本の感想とサイト更新情報が中心です。偶に雑談など。

犯罪の世界を漂う

「死刑に関するニュース」10件追加。
「死刑確定囚リスト」「死刑執行・判決推移」を更新。
「求刑無期懲役事件公判予定」に1件追加。
うーん、今年中に執行はあると思っていたが、まさかクリスマスの月曜日とは思わなかった。完全な不意打ちだね、これは。また、執行された人の名前を聞いてびっくり。日高広明元死刑囚は多くの人の予想通りだったが、福岡道雄元死刑囚は公判中ずっと無罪を主張しているから、絶対再審請求を行っていると思っていた。
まあ、それでもここまでならわからないでもないが、77歳の秋山芳光元死刑囚、75歳の藤波芳夫元死刑囚については、誰も頭の中になかっただろう。どちらも再審請求が棄却され、即時抗告中という情報まであったから、多分抗告自体も棄却されていたのだろう*1。どちらも殺人という事実は否定していなかったから、無罪を主張する死刑確定囚よりは執行しやすかっただろうけれど、それにしても年齢が年齢だし。
戦後、確認されている死刑執行の最高齢は71歳。70歳以上の執行はまずないというのが、ほとんどの人の共通認識だっただろうから、今回の執行は色々と議論になりそう。
今回の4人執行は、毎日でも書かれていたけれど、死刑制度の維持という法務省の強い意志の現れだろう。特に改装なった東京拘置所における高齢死刑囚に対する執行は、再審請求を繰り返して執行を免れようとする死刑囚へ、逃げ得を許さないという強固な意志があると思われる。と同時に、サインをしなかった杉浦正健前法相、そしてその行為を絶賛した「死刑廃止を推進する議員連盟」や日弁連死刑廃止論者に対する強烈なしっぺ返しではないだろうか。
別に私は70歳以上だろうが執行するべきところは執行するべきだとは思うが、確定後20年近く経った死刑囚を、今ここで執行するというのがどうも腑に落ちない。遺族からみたら、事件後30年、ようやく執行してくれたと思っているのだろうか。それとも、別の思いがあるのだろうか。

*1:どちらも2006年1月に再審請求が棄却され、準備中だった