平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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償い

奈良市の叙事誘拐殺人事件で小林薫被告の死刑が確定したことについて、被害者の両親が手記を寄せた。「今更謝罪してほしくない」という言葉はとても重いと思う。よく死刑廃止論者が「生きて償いをさせるべきだ」と述べているけれど、加害者からの償いなんか欲しいと思っていない遺族がいることを教えてくれる言葉である。こういう人たちを、死刑廃止論者は非難するのだろうか。『年報・死刑廃止06 光市裁判』を読んでいると、それぞれの思いが全く別方向に向いていることを認識してしまう。一部の遺族が、加害者や加害者の家族と交流することを盾に、死刑を求める被害者遺族を非難するようなことはやめてほしいと思うし、被害者遺族の思いを踏みにじるような発言をしないようにしてもらいたい。