
- 作者: 歌野晶午
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/08/31
- メディア: 単行本
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真藤数馬は冴えないオタクだ。無職でもちろん独身。でも「引きこもり」ってやつじゃない。週1でビデオ屋にも行くし、秋葉原にも月1で出かけているし。今日も可愛い妹と楽しいデートの予定だったんだ。あの「女王様」に出逢うまでは。彼女との出逢いが、めくるめく悪夢への第一歩だった……。(帯より引用)
「野性時代」2005年4〜6月号に掲載。帯から引用すると、「このミス」1位『葉桜』の歌野晶午が放つ今年最大の問題作!! 戦慄的リーダビリティが脳を刺激する超絶エンタテイメント!
巷で話題のこの一冊。遅ればせながら読んでみましたが、何と言ったらいいのか。評価がしづらい作品である。傑作と評する人がいるのもわかるし、つまらないという評も理解できる。そういう点では“問題作”だろう。ミステリ的なアイテムは数多く出てくるが、ミステリとは言えない。結末まで読めば、その理由はわかるはず。
率直に言ってしまえば、「だからどうした?」となるだろうか。「馬鹿馬鹿しい」の一言で片づけられてもおかしくない。というか、私はそう言いたくなる。
ベストとかにあげるのは躊躇するけれど、話題に取り上げたくなる作品。それがこの作品の位置づけになるんじゃないだろうか。
どうでもいいけれど、この作品を本格ミステリベスト10に投票しようとする人は絶対いるだろうなあ。本格ミステリに対する定義を、その人に是非とも聞いてみたい。