平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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歌野晶午『女王様と私』(角川書店)

女王様と私

女王様と私



真藤数馬は冴えないオタクだ。無職でもちろん独身。でも「引きこもり」ってやつじゃない。週1でビデオ屋にも行くし、秋葉原にも月1で出かけているし。今日も可愛い妹と楽しいデートの予定だったんだ。あの「女王様」に出逢うまでは。彼女との出逢いが、めくるめく悪夢への第一歩だった……。(帯より引用)

野性時代」2005年4〜6月号に掲載。帯から引用すると、「このミス」1位『葉桜』の歌野晶午が放つ今年最大の問題作!! 戦慄的リーダビリティが脳を刺激する超絶エンタテイメント!



巷で話題のこの一冊。遅ればせながら読んでみましたが、何と言ったらいいのか。評価がしづらい作品である。傑作と評する人がいるのもわかるし、つまらないという評も理解できる。そういう点では“問題作”だろう。ミステリ的なアイテムは数多く出てくるが、ミステリとは言えない。結末まで読めば、その理由はわかるはず。

率直に言ってしまえば、「だからどうした?」となるだろうか。「馬鹿馬鹿しい」の一言で片づけられてもおかしくない。というか、私はそう言いたくなる。

ベストとかにあげるのは躊躇するけれど、話題に取り上げたくなる作品。それがこの作品の位置づけになるんじゃないだろうか。



どうでもいいけれど、この作品を本格ミステリベスト10に投票しようとする人は絶対いるだろうなあ。本格ミステリに対する定義を、その人に是非とも聞いてみたい。