平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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夏樹静子『霧の向こう側』(新潮文庫)

霧の向こう側 (新潮文庫)

霧の向こう側 (新潮文庫)

高校時代の親友である立子と衿香は、インテリア・コーディネーターと、ファッション・コーディネーターとして、お互い励まし、競いあいながら第一線で活躍していた。しかし二人の行手には、人間関係の罠や悪意に満ちた仕事への妨害など、思いがけない障害が次々と待ち受けていた。その上、衿香のピルケースの中身がすり替えられ、大型車に追いかけられ……。新鮮なサスペンス・ロマン。(粗筋紹介より引用)

1990年1月〜1991年7月、雑誌「マダム」に掲載。1992年に単行本化された作品の文庫化。



あー、全然だめ。衿香が命を狙われるという部分は一応サスペンスになっているけれど、犯人は見え見え(登場人物が少ないから)だし、何の工夫もない。立子の方はサスペンスにすらなっていない。会社を興して、不倫をして、仕事も順調だったが、ちょっとしたことで引っかけられたり、トラブルが起きてあたふたするだけ。仕事の方では、背伸びのしすぎにしか見えないし、世間知らずな女の自業自得劇。読んでいて腹が立ったよ。人間関係の罠や仕事の妨害なんて、どこにでもあることじゃないか。そんなのにあたふたしているだけで、人に頼りっぱなし。自分で解決策ぐらい考えろよ、といいたくなる。

久々(?)に、駄作の言葉を贈ろう。