- 作者: 笹沢左保
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 1976
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ルポ・ライター天知昌二郎にかかった電話は、彼の一人息子・春彦を保育園から誘拐し、五日後に殺害すると告げた。犯人は環日出夫と名乗った。二ヶ月前、日出夫の義父で、美容界の大御所だった環千之介は天知の筆でその過去を暴かれて自殺! 妊娠八ヶ月の日出夫の妻・ユキヨも父の後を追い、足摺岬から投身自殺した。春彦を取り戻すにはユキヨの死が他殺だと証明する道しかない。が、残された時間はわずか120時間34分! 筆者が十年ぶりに書き下ろしたサスペンス・ミステリーの決定版!(粗筋紹介より引用)
サスペンス性を中心とした「岬」シリーズ第一弾。月間執筆量約1000枚という状況下でカッパ・ノベルスに書き下ろされた本作は、10年ぶりの書き下ろし推理小説である。そのせいかもしれないが、作者もかなり力を入れて書いているように思える。子供が誘拐された状況で事件を解決に乗り出す緊迫感あふれるストーリー。わずか5日間での決着を目指すスピーディーな展開。そして意外な結末。タイムリミット・サスペンスものとしてページに残されるべき一冊。