- 作者: 夏樹静子
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1997/10
- メディア: 文庫
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1989年、光文社より出版された作品の文庫化。
CはコンピュータのCか。それとも千巻のCか。コンピュータ関連の話はさすがに古いなと思わせるが、描かれた時代が15年以上も前だから仕方がないか。違和感はあるものの、苦痛と思わせるほどではないのは筆力だろう。その時代の最先端のものを題材として取り扱うと、こういう違和感は避けられない。
名作『Wの悲劇』は優れた本格ミステリだったが、本作は男女の仲を核に置いたラブ・サスペンス。夏樹静子、お得意の路線。手際よくまとめられているし、最後はちょっと驚いた。まあ、よくよく考えてみると、この結末しか有り得ないのだが、気付かなかったのは少々不覚。
それなりに考えられて作られているけれど、今読んだら古くさいと評されるのは仕方のないところ。2時間ドラマ小説と呼ばれても仕方がないだろうな。