- 作者: 貫井徳郎
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2004/07
- メディア: 単行本
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嫌な読み方をしてしまったので楽しめなかった。作家の手記が途中で挟まれているが、どうせどこかに仕掛けがあるんだろうと、間違い探しの目で読んでしまった。これでは物語に集中することができない。作者に申し訳ないことをしてしまった。
きちんと計算された、ヒューマンドラマの仕上がり。美しい夫婦愛・家族愛を描いた作品だろう。惜しい点は、主人公が魅力的な人物に全く見えないところか。いくら一人称とはいえ、もう少しよい書き方があったのではないだろうか。
ただ、これをミステリとして読むと弱いだろうね。普通小説に近い仕上がりのせいで、年末のミステリランキングでは予想以上に低い位置に留まったのだと思う。