- 作者: 大倉崇裕
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2010/12
- メディア: 単行本
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月刊文庫『文蔵』2009年10月〜2010年8月連載。加筆・修正後、2010年12月、単行本刊行。
「白虹」は太陽や月の周りに巨大な丸い光の輪が見える現象。「日暈」という言葉の方が有名な気もする。
大学時代にワンダーフォーゲル部に在籍していた大倉らしい山岳を舞台とした作品であり、その描写はさすがと言わせるところだが、事件そのものは山岳とは関係が無い。できれば絡めて欲しかったところだが。事件を追う内に過去の事件との絡みを見つけ、更に自分も巻き込まれ、過去と向かい合うという、典型的なパターンの作品だが、山の描写が一服の清涼剤となっており、読後感は悪くない。
ただ、何となく読んでいる内に終わってしまったところはある。それなりに盛り上がったのだが、主人公が精神的にぐずぐずしているところが気になった。そんな迷いが、そのまま小説のテンポにも影響していたような気がする。