平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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若木未生『ハイスクール・オーラバスター・リファインド 白月の挽歌』(徳間書店 TOKUMA NOVELS)

 術力を失ってしまった里見十九郎が、幻将・皓と手を組み、妖者方に寝返った……!? 中空に築かれた『鏡』によって、〈天〉による空者方への恩恵がとぎれつづけているなか、伽羅王・斎伽忍は、和泉希沙良は、崎谷亮介は、水沢諒は……、この抜き差しならない若者達は、何を思い、どう行動に移すのか!? そして鏡の空間に姿を現した無前王とは、いったい何者!? 圧倒的なテンションで贈る、シリーズ復活第二弾! 里見十九郎は、どうなる!?(粗筋紹介より引用)
 2015年9月、書下ろし刊行。

 

 1990年代に大人気を誇った「ハイスクール・オーラバスター」シリーズの復活シリーズ第二弾。シリーズ第一弾『天の聖痕』が出版されたのは2011年5月。そこから4年後の新刊。しかも私は今頃読むから、前巻から10年前。内容なんて、ほとんど忘れていましたよ。出版されていたのは知っていたけれど、今更なあ、という気持ちが強かった。
 やはり昔の雰囲気のほうが好きだったね。“ハイスクール”の要素がどんどんなくなっていき、本巻なんてないに等しいレベル。私が大好きな神原亜衣は全く出てこないし。まあ当初からどんどん面倒くさい方向に流れているなとは思っていたけれど、本巻はもう救いがないぐらい、作者が迷走している。戦うところなんて、ほとんどないし。観念と感情ばかり溢れた文章が続き、気が付いたら場面が転換している。作者は読者にこれをどう処理しろというのだろう。
 とはいえ、そんなことはわかっているんだよな。わかったうえで、やはり続編を読もうという気になったんだから。とりあえず里見十九郎と幻将・皓の因縁に決着が着いてよかった。
 それにしてもあとがきは生々しいな。朝日ノベルズから出版されていた『ハイスクール・オーラバスター完全版』は二巻で打ち切り。売れ行きが芳しくなかったとはっきり書いている。うーん、やっぱり時代がもうずれていた、ということだろうか。

カウンター外しました

『忍者カウンター』サービス提供が3月1日で終了するのに伴い、面倒なので新しいカウンターはつけないことにしました。まあ、本当は忘れていただけですが、面倒だなと思ったのはホント。半年ぐらい前に終了の案内が来ていたけれど、もういいや、なんて思ってほったらかしにしていた次第で。